ある嗅覚研究者の方の研究にずっと共感をしていましたが、実はその方がワインアロマセラピーを応援してくれました。
最初、友人からワインアロマセラピーの話を持ちかけられたとき、いわゆるアロマセラピーの本道と外れたものだし、いままでの信用を失なってしまうのではと正直思いました。
でも、論文を検索してみたら、2000年代前半にワインの香りで脳波測定をしている先生がいた。しかも、それがアロマセラピー界でも名の通る、精神科のドクターで。
「そうか、とらわれていたのは私なんだ。精油にこだわっていたけど、嗅覚を利用したセラピーは精油にこだわらずに可能なんだ。しかも天候や土壌がつくる自然のギフトであるという点では、ワインは精油と共通性があるし、私の活動の方向とも近い」と。

精油へのこだわりが消えて、逆に精油だからできることにも気がつきました。概念がある程度出来上がったころ、共感していた嗅覚研究者の方に幸運にもご縁があって、ワインアロマセラピーのお話しをしたら、「おもしろい」と言ってくれて、知識やヒント、アドバイスなど、様々に応援してくれました。
結局、ワインの香りや食事のときに口中から上がってくる香りとか、身近なもので気分を変えたり、心身の声を聞いたり、自分の感情を大事にするのに、むしろワインアロマセラピーはいいんじゃないかと、その後の活動を通じて思いました。
日常生活で立ち止まって、香りを感じる。「いま、ここ」の瞬間を大事にする、マインドフルに生きることを感じるものとして面白いと思っています。
また、このアロマワインセラピーを通じて起こった幸運にも感謝しています。地道に患者さんに寄り添いつつ、あの研究者の方とお話ししたいなと思ってきましたが、なかなか会う機会にはつながりませんでした。なのに、ワインですぐに繋がって。

医療従事者が中心のアロマセラピー学会でも、ワインアロマセラピーをテーマに話をさせていただいたり。ワインが繋いでくれた、そんな幸運にも感謝しています。